ビジネスパーソンとコーチング

私のコーチングのクライアントは会社で働いている人がほとんどで、経営に近い方がも多くいらっしゃいます。

ここではひとくくりに『ビジネスパーソン』と呼ぶことにします。

彼らは会社のことや業務のことも精通していますし、いろいろな経験をして課題を乗り越えてきた方々です。

そんな方々はなぜコーチをつけるのでしょうか?ひとりで業務をすることには何の問題もないのにです。

しかも、コーチは彼らより業界の内情に詳しいわけでもありませんし、「今ある問題をすぐに解決してしたいのです」ともし言われたとしても、その時にぴったりのアドバイスを持ち合わせていないかもしれません。

コーチングは『7つの習慣』でいうところの第二領域にあたり、自己投資になります。

いったい彼らはコーチングに何を期待しているのでしょうか?

いろいろな方とのやりとりの中で、こんなことが浮かび上がってきます。

 

①ルーティーンやデフォルトに陥らないために。

もの見方、仕事の仕方にはそれぞれのパターンがあり、前任者から引き継いだもの、自分で編み出したもの、会社の決まりなどが基本形です。

慣れ親しんだ考え方ややり方は続けやすいものですが、変化が必要になったとき、未知の課題が来た場合、どう対処したらいいのか?居心地のいい場所に長くいればいるほど、決まった発想に凝り固まる傾向があります。

コーチングは、既存の視点や方法の他にどんな見方ができるかを探ったり、その中でもっとも自分にあったやり方は何かを考える場になります。

選択肢は他にもある、選ぶのは自分である、ということを知っておくことで視野に広く持つことができます。

 

②勇気ある行動を促す

何らかの結果を出すには行動が伴います。ところが場合によっては、あるいは人によってはこれはなかなか厄介です。

回り道になったり、うまくいかないこともあります。多少の勇気も必要です。

もしここにあなたを応援し、一緒に考えてくれる人がいたらどうでしょうか?

あなたを受け止め、能力を認め、あなたと同等かそれ以上に「あなたの潜在能力」を思い出させてくれる人がいたら…。

コーチは「あなたにはこんな思いや能力がありますよね。今、それを使ったらどうでしょうか?」と行動を促す存在です。

挑戦はいつもリスクとともにやってきますが、必ずしもひとりだけで成し遂げる必要はありません。

オリンピックの選手には必ずと言っていいほど、信頼できるトレーナーやコーチがついているものです。

 

③学習とフィードバックによって自分の強味を知る

コーチングでは行動を起こしたことで何を感じたかを話し合います。

結果がよかったか?成功したかだけではなく「実感値」も話題になります。

やってみてどう感じたか、やりやすいこと、やりにくいこと、簡単だったこと、難しかったことなど、何を学習したかです。

そして『何がもっとも自分らしかった』のか。

数値化されることがないものですが、アナログなところも認知の対象になるものです。

 

④頭と体が一致することは何かを深く探る

最も人が力が発揮できるところは心身ともに納得ができる、いわゆる「腹落ち感があるところ」ではないでしょうか。

本に書いてあることや人から聞いた内容でも、それが自分にとってしっくりくるものとは限りません。

「自分はいったい何がしたいんだろう?」という状態はまさにどちらかが(あるいは両方が)欠落した状態でしょう。

理性も感情も「そうだ、これだ」と思える領域に出会うこと、なければつくり出すこと。今の自分をコーチングの対話を通じて内省すること。

実はそのプロセスが、ビジネスパーソンを研き、自分自身の軸を太く確かなものにして、これから起こる不確実な状況にも対処しうる体力を養う筋トレにもなるのではないでしょうか。

 

 

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