たまたま昔録画しておいた番組を整理していて、浦沢直樹さんとかわぐちかいじさんの対談が残っていて、思わず見入ってしまいました。

お二人の漫画は有名で、私は特にかわぐちさんの『沈黙の艦隊』にかなりハマった記憶があります。

その対談の中で、かわぐちさんがこんなことをおっしゃっていたんですよ。

「書いている自分が楽しんでいるか、それが一番気になること」

楽しめていないとただの仕事になってしまい、とても膨大なストーリーのすべてを書ききれないのだそうです。

さらに「それは読み手にも伝わる」とも。

その一言は、ふとあるコトを思い出させました。

それは私が翻訳をしていたときのこと。

英語を日本語に訳す単純な作業なのですが、

「ここは日本語ではどういう言い回しになるんだろう?」

とか、細かい表現や人物の気持ちを思い描きながら毎日PCに向かっていました。

「この本が好きだ」と思えないと、自分も楽しめませんし、その世界を表現しきれずに、

単なる『自動翻訳機』みたいになってしまいます。

その後、日本語に翻訳された本を読むと、今までとは違う読み方をしている自分がいました。

「ああ、これは単に訳しただけだな」というものと「訳者はこの本が好きで理解しているんだな」

という違いが目にわかるようになっていました。

受け取る側にも伝わってくるものなんだと実感できるようになっていました。

やってる自分がのめり込めるから、受け取る側も引き寄せられる。

漫画や翻訳に限らず、世の中を動かしているものはそういうもののようです。

この記事を書いた人

保志 和美
米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブコーチ
国際コーチ連盟認定コーチ
国際NLP協会認定NLPトレーナー

☆外資系コンサルティングファーム、メーカー、投資銀行で15年以上の研修の経験を軸に、強みや魅力がいまいち見えてこない方、やっていることに違和感を感じている方にクリアに方向性を見つけるコーチングを提供。その方の優位感覚も使いながら、自信を持って前に進むお手伝いをしています。